有限会社/旅行記/200807津山

[1507] ぶらり途中下車の一人旅(3/3)

「待ちなさい、フィラデル・エルドリッジ!」
 待てと言われて待つ輩はいない! てか応援はまだか!
「そんなものは来ないわよ! さぁ捕まえ――」
 キャリーカート――ラピッドスマッシュ!(※小型キャリーで素早くぶん殴りました)
「きゃあぁぁぁっ!」
 すかさずターン&ダッシュ!
「び、ビックリするじゃないの! いきなり何すんのよ!」
 ち、やっぱ防御は堅いか。
「待ちなさいこの鬼! 悪魔!」
 だから待てと言われて(ry)

○登場人物(役柄)

・華村天稀(本人)
 いつもの電子妖精。少女に見えるが性別はない、と本人は言い張ってる。
 当たり前だが一人旅の主役。

・各務ちひろ(?)
 超火力系魔法少女。火力はすごいが技量はしょぼーん、お勉強はできるが体力はオッパッピー。
 なんだか成り行きで独り旅の話し相手になる。

※この話はフィクションです。えぇフィクションですとも。

○Second day 23:30, around Umeda terminal

 ぜぇぜぇ……なんとか振り切った。
 ライカちゃんから大阪地下鉄の一日乗車券もらったのに、結局徒歩ってか疾走で梅田まで来ちゃうとか。どんだけアフォなのかと。
 さて、宿でも――被ロックオン警告! 真上か!?
「天稀さーん、お待たせしま――」

 ……来てもらっておいてアレだが、ちひろ。
「…………」
 言いたいことが無数にある。多すぎるんで頑張って絞ると二つになる。
「……内容はだいたい予想がつくんで、後にしてもらっていいですか?」
 遠慮せず聞け。
 一つ。来るの遅すぎ。ファンシー・リリーはとっくに撒いた後だ。この役立たずめ。
 二つ。いいかげんブレーキ覚えろ。そのロケットみたいな飛翔魔法、使うたびに地面に激突してクレーター作ってるだろおまえ。
「しょうがないじゃないですか、原理がロケットそのものなんだし」
 だったら逆噴射でも何でも利用しろよ。
「やってますよ、でも簡単に止まれるようなら苦労はしません」
 まったく、杖をホウキに見立てて跨ぎ乗って飛ぶとか、見た目だけはしっかり魔法少女なのに、実態は火力馬鹿なんだからタチが悪い。

 ま、せっかく来たんだし。今後の旅路の話し相手にでも、なってもらおうかな。
「明日の津山ですか?」
 そう、津山。グロい展示とガンダム。
「そのグロい展示って……前から思ってたんですが、一体なんです?」
 ん、人間の臓器。
「……趣味悪いですよ」
 いや〜それほどでも。
「褒めてませんよ?」
 さて、ここが今日の宿だ。
「ビジネスホテルですか」
 寝るだけの場所に金かけても、仕方ないでせう。温泉旅館とか、泊まること自体に価値があるならとにかくさ。
 ただし、この宿は駅に近いせいか、料金は高めだ(\8,400)。しょぼーん。
「ならもっと安い宿探せばいいんじゃ」
 ……迎撃武装もないのにリリーに追っかけ回されて、くったくたで宿探す体力なんてありませんがな。
「……そもそも、何で武器使用禁止なんでしょう?」
 出先で暴れたら大変とか、そういう理由じゃねぇの?

○Feast day 7:30, around Umeda terminal

 おっきろー、ちひろー。
「いだだだだだだだだだだだっ!! ナニするんですか!?」
 起きたか? 起きたな? よし出発だ。
「……ボクはずっと前から起きてて、今まで寝てたのは天稀さんの方でしょ」

 天稀が昨日調べたところによるとだ……ずるずる。
「しゃべるか食べるか、どっちかにしません?」
 ずるずる……大阪といえど、さすがに駅の安うどんじゃそんなにおいしくないな。
 んで、ここ梅田から新大阪に行くにはだね。
  ・梅田→姫路 新快速なんとか姫路行
  ・姫路→佐用 佐用線佐用行(地元ローカル?)
  ・佐用→津山 津山線津山行
……という順番で乗って行く。9時ちょうど発の12時半ごろ着だ。
「けっこうかかりますね」
 山奥の方だからかなぁ。ちなみに、一本乗り遅れると到着が軽く一時間以上遅れるので、時間厳守。
「ひぃ。ローカル単線って恐ろしい……」

 さて、これが恐怖のローカル単線、佐用線だ。
「電車なのに、バスの出入り口にあるような機械が……」
 改札のない駅があるんで、電車内で運賃取ってるんだろうな。
「あ、天稀さん、これ」
 へぇ、かわいい路線図だな。撮っておこ。
「すっかり鉄ちゃんですね」
 いやいや、天稀は旅路の記念に、道中見たものを撮るだけ。鉄ちゃんというのは、ああいうのを言うのだよ、ちーちゃん。(ひそひそ)
「……随分ごついカメラですね(ひそひそ)」
 本格的だよねぇ。(ひそひそ)

※同じ車両に居たんです、ごついカメラ持って車内を撮り回してるヒトが。限りなく鉄っちゃんぽかったけど、本人に聞いた訳ではないので真偽は不明。

 ……あ。E-Mobileが圏外になった。
「三日月駅のあたりまでもちましたね」
 意外にちゃんと領域広げてるんだな。

○Feast day 12:30, at Tsuyama sta.

 さ、津山に到着〜
「津山線はあんまり面白くなかったですねぇ」
 そりゃ、全ローカル単線にネタを仕込む義務があるわけじゃないし。
「義務のあるとこがあるんですか?」
 観光用路線にはそういうこともあるんじゃないか?
「なるほど。ところで、昼食にちょうどいい時間ですね」
 そうだねぇ。さて、津山の名物って何だろう。
「名物ですか?」
 せっかく来たんだ、名物食おうぜ。

 というわけで、観光案内に行って、昨日の応用でレンタサイクルを借りてきた。
「自転車が借りられるんですか?」
 明日香村に行かなかったら発想そのものがなかったね。こーちゃんに感謝♪
「ところで、一台だけですか?」
 ちひろは荷台ね。厚手のタオルでも敷けば、乗れるっしょ。
「それはいいですけど、二人乗りなんてやって、体力大丈夫なんですか?」
 だいじょぶだいじょぶ、ちーちゃんの体重くらい。
 んで、昼飯の場所も聞いてきた。博物館のとなりに観光センターがあって、そこで津山ラーメンというのを出してるそうな。
「観光センターの食事が名物なんて、そこはかとなくハズレの雰囲気が漂いますね……」
 まぁ、あまり観光的に有名でない一地方小都市なんて、そんなもんかもしれん。博物館が近いのはベターだし、他を考えるのはメンドイし、とりあえずそこ行くぞ。
「はーい」
 自転車で約十分。さぁ乗った乗った。

※実際のレンタサイクルに、荷台はありませんでした。

 ……しまった、道間違えた。
「ちょ、」
 どこだここ……津山城壁の北西端あたりか?

 到着っと。
「ステキなマヌケっぷりをありがとうございます」
 うるせぇ。
「でも意外に体力あるんですね。自転車けっこう早かったし」
 自転車用の筋肉って普段は使わない部分らしいからなぁ。むかしは友人宅まで約30キロを自転車で爆走なんてやってたから、その頃の筋肉が残ってるのかもね。
 まぁそんなことはいいや。飯だ飯。

「ラーメンふた丁、おまちどお」
 ……ふつーのラーメンに見える。
「フツーのラーメンですねぇ」
 ……ふつーのラーメンの味がする。
「フツーのラーメンですねぇ」
 ……ある意味、予想どおりだな。
「もうちょっとちゃんと、特産品探すべきなのでは?」
 泊まるわけじゃないから時間がない。またの機会だな。

 さて、今回のメインイベント、人間の内臓ホルマリン浸け――もとい、つやま自然のふしぎ館でござーい。
「……あの、こう、なんだかとってもホラーな予感がするんですけど、気のせいでしょうか?」
 気のせいだ。さぁ入るぞ。
「ええええ、ちょっと天稀さん、もうちょっと落ち着いて行きましょうよ。ていうか見るのやめません?」
 却下。ここを主目的にいくら投資したと思ってんの? ここまで来て回れ右とか論外。
「じゃ、じゃあボクはここで待ってますんで」
 そんなチキンハートな真似は許さん。ついて来い。
「いやぁぁぁ、襟首引きずらないでぇぇぇ!」

『うわぁぁぁぁぁん、あぁぁぁぁぁぁん!』
 ……うん。
「『うん』じゃないですよ! いったい何ですか、入ってすぐさま今の悲鳴は!」
 まぁ、ここの展示品は、幼児なお子様に見せたら泣くかもな。臓器だって不気味だが、感受性豊かなお子様には剥製も不気味なモノがあるだろうし……
「あぁぁぁぁぁん、うわぁぁぁぁぁぁん!」
「あーはいはい、よしよしよし」
「ほら、もう出るから泣くなー」
 ……さっきのはこの子の泣き声だな。ときにちひろ。
「何ですか?」
 声が震えてるな。ここで『やだーもう出るー』なんて泣き出したら、精神年齢あの子と一緒って事になるが、それでも出る?
「…………」
 中身は16歳なのにねー。男の子なのにねー。
「……鬼(ぼそっ)」

※三歳児が泣きながら出てきた件は実話。

 第一室。まずは小手調べみたいな部屋。ソファとテーブルと冷たいお茶があって、くつろげる。
「セルフサービスでお茶が置いてあるなんて、変わった博物館ですね」
 ただし空調(冷房)のほうは、クーラーの性能がよくないのか、あまり効いてない。
 さて、さっきの親子も出て行ったようだし、次行くか。
「……ホントに行くんですか?」
 行くとも。

 第二室。人体関連。
「…………」
 ちーちゃん、目を閉じて歩いてると、ショーケースに正面衝突――
「いたっ!?」
 ――したか、案の定。ホルマリンかぶりたくなかったら、アホな真似はやめとけー。
「うぅぅぅ」
 だいたい、そう脅えるほど怖いもんでもないぞ。人間の臓器つっても、病床だったからか死後何十年も経ってるからか、どうにも生気がなくて干乾びてるっつーか萎れてるっつーか。あぁ血の気がないのか。
「……十分気持ち悪いです」
 ちーちゃん臆病だなぁ。そんなことじゃあ、男の子に戻れないぞー。

 第三室、こっから先は剥製と化石のオンパレード。
「ふぅ、やっと落ち着ける」
 わかったから、天稀の服の裾はそろそろ離してくれる?
「それにしても、いろいろありますねぇ。うわ、特別天然記念物の剥製まで」
 今はもう二度と手に入らない品も多いらしいから、間違っても壊したり汚したりしないようにね。
「……ちなみに、壊しちゃったらどうします?」
 訴えられるんじゃないか? ワシントン条約モノの剥製だと、億は堅そうだが。
「個人で出せる金額じゃないですよ、それ」

※以降の部屋は省略。詳細知りたい人は自ら足を運んだ方がいいでせう。

○Feast day 15:30, at Tsuyama sta.

 完。
「凄い数でしたねぇ」
 見ごたえあった?
「うーん……微妙?」
 微妙か。
「第二室が……」
 まだ言うか。
「あと、入れなかった第十二室が、ちょっと気になります」
 あそこかぁ。ガキのイタズラが多いから、案内なしでは立ち入り禁止になったらしい。言えば案内つきで入れてくれるんだが。
「見に行きますか?」
 今日はパスかな、ガンダム見に行きたいし。レンタサイクルが17時までで、電車が17時48分だから、場所の分からないものを探すには残り時間がそろそろ限界。
「そうですか」
 同じ理由で隣の博物館もパス。こいつらは、次来た時にでも覗こうぜ。
「じゃあ、ガンダム行きましょう。どこですか?」
 調べてない。
「ちょ、」
 来ればわかるものと思ってたからなぁ。
「どこまで行き当たりばったりなんですかっ」
 そもそも芋☆すたのGPSなんて、行き当たりばったり補佐ツールじゃん。何を今更。
「何ですか、その何かのパクリみたいな呼称は」
 EMONSTER(E-Mobileの端末)のことだが。
 それはそうとして、確かに場所がわからないことにはいかんともしがたい。幸い隣は観光センター、聞けば教えてくれるだろう。

 というわけで案内のおねーさーん。
「はーい」
 ガンダム捕って来い、って言われて来てるんですけど、場所ご存じですか?
「あらあら、捕ってはだめですよ。市の文化財ですから」
 ……おい、ちひろ。このお姉さん、手ごわいぞ。
「あの、ボケてないで話進めません?」
 催促されちゃったので、場所教えてください。写真で撮るだけにしますから。
「はい、ええとモビルスーツのある場所ですよね?
 この地図の、今ここです。この坂を上がって、上がり切ったところを左に曲がって、ずーっとまっすぐ……ここです」
 ホントだ、巨大モビルスーツって書いてある。
「ここからだと、車で30分くらいかかりますので、タクシーで行かれるのがよいかと思います」
 そんな予算はない。
「言い切った!?」
「ご予算でしたら、当センター向かいに『いらっしゃいマシーン』のプ□ミス、お隣に『どうする?』アイ○ル、駅前にN○ L○ANなど多数取り揃えてございますが」
 いや結構……おいちひろ、このお姉さん、ホントに手ごわいぞ。
「……とりあえず出ましょう」
 そだな。案内ありがとう、それじゃ。
「案内料二千円になります」
 Σ( ̄□ ̄;)金取るのかよ!?
「冗談です、ええ冗談ですとも。ただしチップは随時受け付けております」
 …………。

※この話はフィクションです。登場する観光案内嬢や案内の内容および消費者金融窓口などは、実在する人物・施設・団体などとは一切関係ありません。

 さて、ちーちゃん。ここに地図があるわけだが。
「……盗んできたんですか? いくらなんでも泥棒はよくないですよ?」
 ヒトを何だと思ってるのかね、チミは。ちゃんと貰ってきたやつだ。
 で、車で三十分かかると言われたこのルートだが。
「二つ先の駅に近いんですね。これだと、自転車を返して、電車かタクシーで行くのが無難ですね」
 それが電車だとダイヤが合わないっぽいんだよねぇ。ローカル線は一時間に一本とかザラだから。
 それより、この交差点。駅からここまでと、ここから目的地まで、長さがだいたい三倍程度。
「駅からここまでって、さっき道間違えて走りましたよね」
 うん。そのときかかった時間が約十分。
「……まさか、自転車で三十分で行けるって、言いたいんですか?」
 同じ速度で走れば多分。普通道の短距離なら自転車も車も所要時間そんなに変わらないもんだし、いけるんじゃないか?
「ムチャクチャ言いますね」
 つわけで、ちょっと本気で突っ走るから、さあ乗れ。
「本気?」

 さーいくりんぐ、さーいくりんぐ♪ やっほー、やっほー♪
「ぃいいやあぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ! これサイクリングって速さじゃないぃぃぃぃぃっ!」
 ここらへんは下り坂だからねぇ。
「下り坂で漕がないでえぇぇぇぇっ!!」
 時間ないって言ったでしょ。ここで速度稼いで、一気に飛ばす。
「いやぁぁ、死ぬー死ぬー! 車が! 車が!!」
 なんだよ車追い越したくらいで。ほらもっと飛ばすぞ!
「いやぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」

 ぜぇ、ぜぇ……さ、すがに、疲れたが、着いたぞ……
「お父さん、お母さん、先立つ不幸をお許しください……」
 なーにトリップしてんだ、ちーひーろー。ほら起きろ。奥義・おばあちゃんの知恵袋チョップ!
「あいたっ! ……はれ? ここどこ? 天国?」
 ちげーよ。ほら見ろ。
「え、あれ? 目の前にモビルスーツ?  もしかして?」
 もしかしなくても。
「もしかしてここ、ゼロハチ小隊の前線基地?」
 ちゃうわー!
「いたっ! 殴ったね、親父にもぶたれたことないのに!」
 ぃやかましい!!

※そもそも展示品(?)はΖガンダムです。一年戦争時代が舞台の08小隊に、Zガンダムがあるわけがない。

 さて、写真も収めたし。休憩して戻るか。
「これ、動かせるみたいですけど、やってみません?」
 やめとけ。きっと整備不良で痛い目見るぞ。

※『巨大モビルスーツ』と案内されている当機だが、どうやら実寸の半分程度。どうも動かせるらしい(定員一名)のだが、どうやって動くのだろうか。

「いやぁぁぁぁぁぁっ!」
 うるさいやつだな。行きほどスピード出てないはずだぞー?
「車が、車が、向こうから!」
 対向車がスレスレだから怖い、と言いたいのかー?

 ……到着。なんか精神的に疲れたが。
「死ぬかと思った……」
 何言ってんだおまえ、ふらくたるブースト(飛翔魔法)のほうがよほど速いだろうに。時速千キロ(音速)は出るだろあれ。
「だってあれは、まわりに何もないじゃないですか、空飛んでるんだから」
 <s>墜落</s>着地の瞬間は? 時速数百キロで地面が迫ってくるわけだが。
「あれはその……あんまり現実味がないので」
 慣れの問題なのか、それとも『強い武器を持ってると気も強くなる』ってやつなのか……

○Feast day 19:30, in Okayama station bld.

 食ったら乗車かな〜(もぐもぐ)
「カレーですか……(もぐもぐ)もうちょっとこう、特産らしいもの探してもよかったのでは?」
 一応ビル内の飲食街は一通り見たじゃん。時間と体力の都合で、これ以上は探せませーん(もぐもぐ)
「まぁそれはそうですけど」
 さっさとシャワー浴びたいし、道中の銭湯とか駄目だったから、さくっと帰ってサッパリしようぜ。
「そうですねぇ」

 しっかし、意外に座席埋まってるもんだな。指定席取るために一本逃したぞ。
「カートの椅子じゃ駄目だったんですか?」
 これ、小さいから揺れると安定しないんだよ。バテバテの状態で電車の座席それってのは、けっこうしんどい。
「なるほど」
 それに、カート椅子は背もたれ使えないし。その点、座席があると寝れるし快適……くさっ。なんだこのアルコール臭。
「え、クサいですか?」
 ……お隣の、ビジネスマン風のおっちゃん。それ臭うから控えてくれんか?
「は? 車内で酒飲んじゃいけない、って決まりはねぇだろ?」
 ……たしかに決まりはないが、とかく鼻にツンとくる。まぁ、それ飲むなとは言わないけど、ちょっと考慮してくれると嬉しいなぁ。
「ふーん……ま、考えておいてやる」
 どうも。
「……天稀さん、なんだか普段よりおとなしくないですか?(ひそひそ)」
 だって、もうケンカする元気ないもん(ひそひそ)
「そういう理由ですか(ひそひそ)」
『お弁当、飲み物、ビールやおつまみはいかがでしょうか〜』
「ビールひとつ」
 待てオイ。
「なんだよ?」
 考えておく、って言ったよな? 今さっき。
「考えたら、もう一杯飲みたくなった」
 …………(ダメだ、言い争う体力がない)
「天稀さん、大丈夫ですか?」
 もう、駄目ポ。

※バーチャルネット監査役の華村天稀は、電車内の酔っ払いが嫌いです。

 結局、臭くて寝れなかったが……着いたな。
「お疲れさまでした」
 やっとシャワーに入れるー。もう24時かぁ。
「あ、天稀さん。明日は早めに会社に来い、だそうです」
 ガビソ。


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Last-modified: 2009-08-16 (日) 08:24:33 (5383d)