青秋桜オフ第16回『怒涛!爆闘!ツウテンガー』


登場人物

コンセプトは『一作品にしか登場してない人物』……努力はしましたょ?

蓬莱ちさと(某監査代理)
  ご存じ死神。作品登場は実はかの駄作『余命』一回きり。
ヒュドラ(バレット代理)
 『マスケッティアーズ』に登場。イマジネシア再建に燃える。(『デュアル』のイマジネシアは再建後の世界か?)
夜次郎(K.伊藤代理)
 『春猫、恋猫』に登場。今回ヨメさん?はお留守番。
夢刃アルト(天爛代理)
 プリティーサーラに登場。文庫掲載はまだだったり。
香山五月(MONDO代理)
 『どきどき! メガネっ娘くん』に登場。メガネを外すことができない。
五条桃太郎(こうけい代理)
 『T's☆Heart 2-3』に登場。お嬢様の父親。
北村桜(ほたる代理)
 『T's☆Heart 2-3』に登場。カメラ少女の母親。
九条俊行(きりか進之介代理)
 『フレグラント・ナイト』に登場。浄霊士。
紫藤結(=千種雅晴、猫野代理)
 『こるり改訂版8』に登場。紫藤愛のコピーロボット。(ちょっと条件からして苦しいか?)
ロキア・ウィーベルト(おもちばこ代理)
 『シュガーサンデー4』に登場(予告編などは無視)。辛党を率いる大魔王。

[1353] 青秋桜オフ第16回『怒涛!爆闘!ツウテンガー』(前編)

「さて、ちーちゃん。予告どおり再現(レポート)に行ってもらおうか。日程は一週間遅れあたりがいいな」
 あのぉ、天稀さん。普通の人には死神は見えないはずなんですけどぉ。
「……そういやそうだったな」
 それに、モノを触ることも食べることもできないんですけどぉ。電話とか食事とか、どうしたらいいですぅ?
「…………」

●あんまり事実に則してないオフレポのはじまりはじまり〜

 皆様こんばんは、蓬莱ちさとです。今回はオフの再現ということで、荒野さんと一緒に大阪に行って来いだそうです。
 死神には身体はありませんので、それだと不便だからということで、(総技師長の)玲司さんから電子妖精の身体をお借りしました。天稀さんとは髪が色違いの緑色です。
 こうしてみると……ニンゲンのからだって、無駄に大きくて重くて、使いづらいですねぇ。

※死神のちさとは本来、霊体しかありません。しかも見た目は三歳児。小さすぎて少々舌っ足らずになっちゃうくらいなのでした。

 というわけで、夜十時です。朝一番の飛行機に乗るために蒲田駅で一晩過ごすんだそうです。
 それで、改札前で待ち合わせしているんですが……あ、いました。
「来たか」
 来ました。はじめまして、ええと、水ヘビの魔法使いさん。
「ヒュドラでいい。魔法使いといっても、今は使えないがね」
 あのときの(セーレによる)傷のせいですかぁ?
「そんなところだ。それに私は、イマジネシア再建のために勉強に来たのだ。使う必要もない」
 なるほどぉ。熱心なんですね。
「そういうわけだから、案内よろしく頼む。華村天稀殿と言ったか?」
 あぁ、わたしは天稀さんじゃなくて、蓬莱ちさとです。
「ちさと? ちさと殿は齢三歳ほどの少女の幽霊だと聞いているが」
 幽霊じゃなくて死神ですよ。身体がないと不便だからということで、天稀さんと同型の身体をお借りしまして。
「取り憑いたのか?」
 いえ、電子妖精と言いまして、量産型なんです。くわしくは天稀さんにでも聞いて下さい。

 というわけで、宿代を浮かせるために、ネットカフェでお泊まりです。
「椅子に客を寝かせるとは、変わった宿だな」
 ネットカフェ激戦区の蒲田でも、この店は地域最安値らしいですよ。
「あのー、18歳未満の方の夜間利用は、お断りさせていただいてるんですが」
 えい。(どすっ)
「カシコマリマシタ。コチラノオ席ヘドウゾ」
 ふう。死神の鎌って便利ですねぇ。
「……いま何をしたのか、聞いても構わないか?」
 あら、お気に召しませんでしたか? 今の対処。
「いや、ブルーティアにも乱暴者が居るなと思っただけだ」
 どこが乱暴なんですか。天稀さんや飛鳥さんの方がよっぽどっ
「それは比較対象が悪いのだと、私は思うぞ……」

 ふぁぁ、朝ですぅ。死神にとって朝は寝る時間ですぅ。
「寝るな寝るな。これより飛行機に乗るのではないのか?」
 ふぇぇ、水蛇さんは眠くないんですかぁ?
「あぁ、作業をしていて寝るのを忘れていた」
 元気ですねぇ……おやすみなさい。
「だから寝るなっ」

 あれぇ、いつのまにやら羽田空港ですぅ。
「改札とか搭乗手続きとか、新鮮な体験ではあったが勝手がわからず疲れたぞ。頼んだのだから、しっかり先導してもらいたい」
 あ、そこにいるのってもしかして。
「知り合いか?」
 たぶんネコマタの夜次郎さんです。
「ん、呼んだか?」
 今回ご一緒する蓬莱ちさとです。よろしくお願いします。
「ヒュドラだ。よろしく」
「あぁ、よろしく。ふーん、あんたらも妖怪か何かか」
 わたしは妖怪じゃなくて死神です。身体のほうは電子妖精ですけど。

 あっという間に伊丹空港ですぅ。
「ちょうどいい、いいことを教えてやろうか」
 何ですか、夜次郎さん。
「ここを出て左にある店だが、肉まんが絶品なんだ。一度だまされたと思って食ってみるといい」
「そうか、ではだまされてみるとしよう」
 このお店、まだやってないみたいですよぉ?
「30分あるな。時間は充分ある、慌てることもないだろう」
「待ち決定だな」
 ……あ。
「どうした?」
 ペットボトル、飛行機内に忘れて来ちゃいましたぁ……

「さて、お待ちかねか」
 いただきまーす……!!
「? なんだ?」
 っすごいです! ふわっとしてじゅわっとして、じわーって感じで!
「そんなに驚くことか? 美味なのは間違いないが」
「つか、初めてうまいモン食ったみたいなリアクションだな」
 はじめてなんですよ! ほら死神って身体がないから食事なんてしないし!
「そうなのか。じゃあ覚えておきな、その感覚が『美味い』だ」
 へぇ……なるほど、天稀さんがオフのたびにグルメツアーするわけですね。

 梅田駅に到着ですぅ。
「さて、ここが大阪の中心部か」
「残りはここに来るんだな?」
 時間的にはそろそろなんですけどぉ……あ。
「あ、いたいた。馬鹿監査」
 夢刃アルトちゃん、でしたっけ?
「ちゃん言うな」
 蓬莱ちさとです。今日はよろしくお願いしますね。
「あれ、華村天稀じゃないの?」
 違いますよぉ。同型の身体を借りてるんです。
「お、あっちの嬢ちゃんは」
 香山五月さんですか、メガネっ娘の。
「メガネっ娘いうな。っとと、はじめまして、香山五月です」
 蓬莱ちさとです。今回はご案内よろしくお願いしますね。
「ヒュドラだ。よろしく」
「夜次郎だ。美味いモンには期待してるぜ」
「夢刃アルトだ」
 それにしても、いい歳したおじさんたちが、街を歩くのにこんな小さな女の子の案内だなんて、なんだかシュールですねぇ。
「一発殴っていいか、蓬莱なんとやら」
 ネコマタのパンチは痛そうだからイヤですぅ。

「おや、待たせてしまったかな。すまないね君たち」
「仕方がありませんわ。そこの(北村カメラの)支店の教育に手間取ってしまったんですから」
 熱心ですねぇ、こんなときまでお仕事ですかぁ?
「五条桃太郎です。いつも娘がお世話に」
 なってないですねぇ、あんまり。そもそも何でこんなに、青秋桜に顔出してない人が集まったんでしょうか。
「北村桜です。今日はよろしくお願いします」
 こちらこそよろしくお願いします。でも桜さん、今日はカメラの買い付けに来ている訳ではないので、それだけ気をつけてくださいね?
「あら、違うんですか?」
 違うんです。

 さて、青秋桜となじみの薄いメンバーばかり集めて、一体何をする気なのか。
 気にならないかもしれないけど次回へ続くっ

[1398] 青秋桜オフ第16回『怒涛!爆闘!ツウテンガー』(中編)

「え? 今さら続きですか?」
 うっせ。

●ほらほら、さっさと続きをしる

 というわけで天守閣に到着ですぅ。
「天守閣じゃなくて、通天閣です」
 そうとも言いますねぇ、五月さん。
「そうとしか言いませんよ」
「で、これに並ぶのか?」
「『二時間待ち』ですって」
 あはは、天稀さんが嫌いそうな待ち時間ですねぇ。
「そんなことを言っているから、今まで昇れなかったのではないかね?」
 さすがは紳士、そのとおりです、桃太郎さん。
「何で紳士だとさすがなんだよ」
 アルトちゃんも大人になれば分かりますよ♪

 あっという間に一時間半経過ですぅ♪
「ホントにあっという間でしたな、桜さん」
「ええ本当ですわね、桃太郎さん」
「どこがあっと言う間だ……」
「アルト君、気をしっかり持つんだ」
「あんたこそな。ちなみにそれはビリケン人形だ、ヒュドラ」
 れでぃーすえんどじぇんとるめんのトークで、時間なんかあっと言う間に過ぎて、いよいよ通天閣の司令部にGOですね♪
「司令部?」
「そういえば、コースガイドに『通天ロボを乗っ取る』って書いてありましたね」
「マジか。てか『通天ロボ』って何だよ?」
「そういや、この通天閣は巨大ロボに変形して闘えるって、凪から聞いたな」
「はいぃ!?」
 む、上行きの階段に『関係者以外立ち入り禁止』の看板。この先に違いないですっ
「おい、勝手に入るなよ」
 『虎穴に入らずんば孤児を得ず』ですっ
「みなし子もらってどうするってンだ、じゃなくてやめとけよ……いっちまった」

 見つけましたぁ♪
「なんで俺まで引っ張る……『コントロールルーム』?」
 さぁアルトちゃん、いざ出動ですよ。おーぷんどあー♪
「入っちゃ駄目です。ていうか入れませんよ」
「うわぁ! ごめんなさい! ……え、ビリケン?」
 うわぁ、ちっちゃくてかわいい警備員さんですぅ。
「かわいいかコレ……?」
「次世代ビリケン先行試作型、製造番号0T-37564KTKRです。『まるち』とお呼びください」
「ちょ、ダメだろその呼び名」
 まるちさん、ここ空けてください。
「ダメですって、ていうか無理です。『ツウテンガー』の稼働には府知事か総理の承認が降りないとダメなんです。承認キーがないと、コントロールルームはロックがかかって入れません」
 えー、そんなのつまんないですぅ。
「ていうか『ツウテンガー』はホントなのか」
「えぇ。動力などの事情であまり長時間は動けませんが、数回にわたる宇宙怪獣の侵攻をくい止めた実績があります。記録映像がありますが、よろしければお見せしましょうか?」
「あるのか。いや興味な」
 是非見せてくださいっ!
「おい!? だから俺は興味な」
「どうぞどうぞ。ささ、シアタールームはこちらです」
「見せる気マンマンかよ!? ていうか引きずるなバカ死神!」
 えー、バカなのは監査さんであって、わたしはバカじゃないですぅ。
「バカじゃなかったらノータリンだぁぁ!!」

 上映会では、ツウテンガーよりも数々のトランスマン(ティガとかガイアとか……)のほうが活躍していましたとさ。

 本当に『くい止めた』だけなんですねぇ。はっきり言ってヒーローの前座じゃないですかぁ。ちょっとガッカリです。
「何言ってんだ、あれだけやれれば上出来だろ。それにブローディオン(東京タワー)とドラゴニスMk掘別掌轍娃圍崚磧砲箸龍ζとかカッコよか……って、何言ってんだ俺は」
 ところで、皆さんはどこにいるんでしょうか?
「ああ、そこの喫茶店じゃないのか? って随分と狭い喫茶店だな」
「あら、ちさとさん。さっきロキア・ウィーベルトという人から電話がありましたよ?」
 辛党首さんからですか? 桜さん、何て言ってました?
「『かけ直せ』と伝えておけ、だそうです」
 えらそうですねぇ。無視していいですか?
「ダメですよ。ああいう強がってる人は、実はさびしがり屋なんです。無視なんてしたら泣いちゃいますよ?」
 ほえぇ。桜さんは大人なんですねぇ。

 というわけで電話してみるです……圏外ですぅ。
※塔内ではauは圏外でした。
「俺のも圏外だな」
「こっちもダメだ。ナギの奴が心配してなけりゃいいが」
※Docomoも圏外でした。
 ダメダメですねぇ……あら、この青いのは? あ、これなら電波が全開ですぅ。
※Softbankだけ全開でした。インフラ貧弱のくせに僻地に強いとは。
『あーもしもし』
 あれ、天稀さんの電波が?
『電波ゆーな。電子妖精同士で使えるテレパシーみたいなもんだ』
 はぁ、それでどうしました?
『おまえが今使おうとした、その青いケータイなのだが。そいつは仕事用だ』
 そうなんですか。借りますね。
『待て待て。そりゃ私用禁止ってわけじゃないが、いつ連絡が入るかわからんから、電池を切らすわけにはいかんのだ』
 えー、でも天稀さん、いつでも充電器とかいっぱい持ってるじゃないですか。わたしの荷物にも入ってるんでしょう?
『そいつのコネクタは形が特殊で、専用のじゃないと充電できない。だから充電器持ってないし、コンビニとかの充電サービスもアウト。なんで電池切らす訳にはいかないんよ』
 それじゃあ、ロキアちゃんに電話できないじゃないですかぁ。
『またそいつしか通じないの? 名古屋でもそんなだったなぁ。インフラ貧弱なくせに変なところで……で、そのメンバーだと桜さんが同キャリアのはずだから、ワケを言って使わせてもらえ』
 桜さんですか。
「呼びました?」
 あのですね、ロキアちゃんにかけ直すと、多分長電話になると思うんですよ。
「そうですねぇ」
 それで天稀さんが、このケータイでかけると電話代が恐ろしいから、今回は桜さんにお願いしたいそうです。
『ちょ、おま、』
「あぁ、はいはい(苦笑)」
 借りましたよ、天稀さん。
『なんつー言い訳するねん(;´Д`)』

※実際、こう言って電話をお借りしました。プラン同じだから電話代は一緒だってーの。

 というわけでかけてみます。
『もしもし! 遅いぞ!』
 もしもしー、ジョ・ロキア・ウィーベルト・アルヴェーダさんですかぁ?
『何その名前?』
 あれ、違った? じゃあロキアちゃん?
『ちゃんとか言うな。って誰だ? サクラじゃないな?』
 年上を呼び捨てにしちゃダメですよぅ。蓬莱ちさとです。
『あぁ、ウワサの無能な死神』
 あなたの部下たちほど無能じゃないですぅ。
『失礼なこと言うな!』

 全員に電話を回して雑談いろいろ。

『でさ、でさ、ヨロイのヤツがショートケーキ持って見舞いに来てさ。辛党の党首に甘いモノなんて間違ってるよね。おいしかったけど』
 たのしそうですねぇ。それじゃあ、そろそろ次に行くんで切りますねぇ。
『おう、また電話してよ』
 メドいですぅ。
『ヒドっ!』
 ぷちっ
 桜さん、お電話どうもありがとうです。
「ウィーベルトさん、最後は涙声じゃありませんでした?」
 そうでしたっけ?
「あんまりいじめては、かわいそうですよ?」
 えー、いじめてませんよぅ。ただちょっと、巨大ロボットをいじれなかった腹いせを。
「まだ言ってるし……本気かよ」

 結局、ツウテンガーを徴収できなかった一行。
 この先に待ち受ける強敵に、彼らはどう立ち向かうのか?
「本当に戦う気なのかね? くいだおれ人形と」
 横から聞こえる紳士のツッコミを無視して、次回へ続くっ

[1431] 青秋桜オフ第16回『怒涛!爆闘!ツウテンガー』(後編)

「(間の空けすぎでとっくに忘れ去られてそうな)前回までのあらすじ。
 ツウテンガーの徴収に失敗しちゃった一行。これより待ち受けるであろう強敵に、彼らは果たしてどう立ち向かうつもりなのか?
 なお、時間の都合で昼食と日本橋を省略します。戦地へ直行してください」
 ええっ!? 串カツは?
「次回に乞うご期待っ」
 そんなぁ……

●そろそろだれてきたので……

 うー、もうやる気しないですぅ。
「なんかいきなりふてくされたな」
 Rrrrrrrrr
「おい、電話鳴ってるぞ」
 むー、もしもしぃ?
『天稀君かね?』
 違います。
『それは失礼した』
 ぷつっ
「誰だった?」
 間違い電話でした。
「にしては聞き覚えのある声だったな」
 Rrrrrr
「ってまたか?」
 もしもしぃ?
『天稀君かね?』
 違いますよぅ。
『では、天稀君の知り合いかね?』
 あの、千草さん? もしくは紫藤さん?
『その名で私を呼ぶということは、やはりそうか。で何だね?』
 かわいい声にその口調は合わないですよ。
『仕事中ならいざ知らず……口調までかわいくしたら、愛ちゃんと区別がつかないではないか』

 というわけで、紫藤結さんが今からこちらに向かうそうです。
「今から来てもこちらにはあまり居られないのではないかね?」
 それでも来るそうです。
「頑張るなあ」
「ま、飯食うときには合流できるだろ」
 ですね〜。

「もうすぐ道頓堀です。最近はものすごく混んでますから、気をつけてくださいね」
 ほんっとに手加減抜きで混んでますねぇ。
「つか見えねぇ」
 ここは『虎穴に入らずんば誇示を得ず』ですっ
「そんなもん得んでよろしい」
 というわけで、れっつらごーっ
「あっバカ待て……」

 あっという間に皆さん迷子です。
『迷子はおまえのほうだろ』
 あれ、天稀さん、また電波ですか?
『電波ゆーな。いやそれよりちさと。やばいのが近くにいる、急いでそこを離れろ』
 えー、もう少しでくいだおれさんとご対面なのに。どうしてですか?
『いや、天稀もすっかり失念してたんだが、甘水にほど近い大阪の地には、関わるべからざる禁じられた群生生物が……』

「全体ーっ、止まれっ!」
「「いえっ、さー!!」」

 ……もしかして、今の?
『遅かったか……?』

「これよりーっ、白塁高校ロボTry部は、大阪の老舗『くいだおれ』の攻略作戦を開始するーっ!」
「「いえっ、さー!!」」
「これがこの地での最後の作戦となるのであ〜るっ! 心してかかるのであ〜るっ!!」
「「いえっ、さー!!」」

 ……なんだか暑苦しいですぅ。
『うん。なにせ通称、筋肉ダルマ』
 まだわたしたちは見つかってないようですねぇ。
『だな。もう太郎どころじゃねぇ。巻き添え食らったら悲惨だから、このまま絶対に見つからないようにね』

「マタオ前タチカ」
「ここで遭ったが百年目であ〜るっ! このパワーエリートHGで、今日こそ決着をつけてやるのであ〜るっ!!」

 ……HGってハードゲイですかぁ?
『それは違うだろ』

「笑止。キサマラハ常ニ、機体ヲ大破シテ敗走スルバカリデハナイカ」
「敗走と戦術的後退の区別もつかないとは、片腹痛いのであ〜るっ!!」

 片腹痛いのは筋肉ダルマさんの方じゃないでしょうか?
『同感』

「キサマラノ無能サ加減ナドドウデモヨイ。タトエ老舗ガ終ワロウトモ、最後ノ一瞬タリトモ、我ガ安息ノ地、荒ラサセハシナイ!」
「その減らず口、今日こそ潰してやるのであ〜るっ! 総員用意!」
「「いえっ、さー!」」
「機械ノ神ヨ! 我ニ力ヲ!」
「ごー、あへっど!! であ〜るっ!」
「イザ、参ル!!」

『単体相手に総員突撃かよ、ダルマ共』
 くいだおれ君、意外に熱い性格なんですねぇ。
『浪速のド根性ってやつじゃね? よし、連中に気づかれないうちに、もうずらかれ』
 ……ふっ、ふぇっ
『げ、ちょ、おま、』
 ふぇっくち!

「誰であるか!?」

『あぁぁ気づかれたっ。よりにもよって、こんなところでおやくそく発動しなくても』
 あの、えーと、どうしましょう天稀さん?
『……もうどうにもならん。まぁ天稀は(テレパシーのため)被害ないからいいけど』
 なんだか冷たいこと言われてる気がします。
「おまえはぁっ、いつぞやの爆裂飛翔娘ではないかぁ〜っ!!」
 人違いですぅ。わたしの髪は蒼じゃなくて碧色ですぅ。
『それつまり "関係者です" って意味じゃね?』
 ていうか天稀さん、"ばくれつひしょうむすめ" って何なんですか?
『"娘" じゃないって言ったのに。やっぱ聞いてなかったかあいつら』
 そういう問題は置いといて。何なんですか?
『あーいや、以前に不覚にも接近遭遇しちゃった時に、ちょっと絨毯爆撃をね?』
 そんなことしてたんですか。
『本気で焼き殺すつもりで仕掛けたのに、今こうピンピンしてるあたり、もう完全に魔物だよな』
 ということは、しっかり因縁つけられてるんじゃあ……
「ここで遭ったが百年目であ〜るっ!」
 ああやっぱり! いえおかまいなく、わたしは見学してますから、くいだおれさんに集中してくださいな。ていうか人違いですしっ
「人形ともども、決着をつけてくれるのであ〜るっ!!」
 そんなこと言わずにっ!
『無理だって、話が通じるようなら爆撃なんかしないし』
 じゃあどうすればっ
『逃げるか戦うか?』
 なら必殺、三十六計!
「ぬうっ!?」
 逃げるに如かずですうぅぅぅぅぅぅっ!!
「なにっ!?」
『逃げ足早っ!』
 さすが天稀さんのコピー体ですぅ!
『それケンカ売ってる?』

「あのヤロウ、いきなり迷子になんかなっちまいやがった。周りの迷惑考えろってンだ」
「おーい、バカちー、どこだー……あ、いた」
 ぜぇぜぇ、はぁはぁ……アルトちゃん、夜次郎さん。
「お前、何処ほっつき歩いてやがんだよ。単独行動で周りに迷惑かけるのもいい加減に」
 はなしはあとですっ! あっちで筋肉がダルマのメガパペットで太郎さんと集団ガンダムファイトを危険ですっ!
「は?」
「……なんかよくわからんが、慌ててるのだけはわかった」
 追ってこられると迷惑です、早くここから離れましょう!
「『危険』じゃなくて『迷惑』なのか……」
「むあぁぁぁてえぇぇぇいっ! 逃げるとは卑怯者のすることであ〜るっ!」
 うわ、ホントに追ってきましたですよ!?
「うわ、おいおまえ、一体全体あの妖怪は何者だ!?」
 わたしもよくわからないので聞かないでくださいっ!
「いいから逃げるぞ、よくわかんないけどなんかキモいしヤベぇ!」

※その後のニュースには、筋肉ダルマ共による乱闘劇は全く報道されませんでしたとさ(女美川の情報規制?)。ただ噂によると……『太郎つえぇぇ』だそうで。

「人混みが凄すぎて、何があったのかよくわかりませんが……」
 "あれ"については分からない方がきっと幸せだから、安心していいですよ……
「ていうか、よく無事だったな、俺ら……」
「無茶させやがって……前にも言ったろう、俺ぁな、争い事はニガテなんだよ。それをおまえら……」
 でもおかげで助かりましたぁ。
「…………」(五月には何か思うところがあったらしい)
「うむ、よくわからぬが、皆無事だったということで」
「あんまり無事って気分じゃねぇがな」
 まったくですけど、そろそろ忘れましょう。それじゃあ皆さん、
「「「かんぱーいっ♪」」」
「……ところで、いつのまにか混じっておられる、このお二方はどちら様?」
 ええと、こちらは浄霊士の九条俊行さん。ちょっと荒れてる霊さんを閻魔庁までたびたび送り付けてくれる、困ったちゃんですぅ。
「地獄じゃ浄霊士はそんな認識なのか……」
 閻魔庁は地獄じゃないですよぅ。
「まぁそれはそうと、いつも弟がお世話になってます」
 妹じゃなくて?
「…………うーん」
 で、こちらの方は、最近沸いた双子アイドルの、紫藤結さんです。
「沸いた、とは随分失礼だな。それに『ゆい』とは何だね」
 『結ぶ』と書いて『ゆい』です。愛さんとの絆を結ぶという願かけで、名付けてみましたぁ。
「おまえが名付けたのかよ」
「なるほど、よい芸名ではないですか。どうですかな、お嬢さん?」
「俺を『お嬢さん』って呼ぶな!」

 さて九条さん、お待ち兼ねのカードの時間です♪
「え、これ?」
 そうそれ♪
「何だそりゃ?」
「あぁ、ちょっと前の仕事で浄化を依頼された品なんだけど。なんでも、きりかという人の怨念が籠もってて、使うと人をTSさせられるとかなんとか」
 どれどれ?
「え? ――うわわっ!?」
 あらら、あっという間に九条さんがお天気お姉さんにっ (※正確には『美貌のアナウンサー』のはず……)
「明日は全国的に真夏日となるでしょう。知るがいい、これは温暖化という人類の愚行の結果であると。って何このトチ狂ったアナウンス!?」
「つ、つっこむところはそこなのか?」
 ホントにTSしましたねぇ。じゃあ次はっと。
「おお? ――ややっ、これは」
 五条さんはアイドル作家さんですねぇ。
「ほう、これはなかなか新鮮。しかし困ったな、この姿では娘に嫉妬されてしまうかもしれませんぞ」
「心配するのソコかよ」
 お次はー、えいっ
「もぐもぐ――あ、おまえ、俺まで」
 イベント時に独りのんびり食事なんてしてるからですよ♪
「お前な、これだけある料理を手をつけずに残すなんてな、失礼ってもんだろ」
 だめですよぅ、女の子がそんな言葉遣いしちゃ。はい鏡。
「な、なんだこりゃ? ナギより小っせぇ」
 ほらほら、ちゃんとネコ耳も。
「それは元からだ。つかこれ、元に戻るんだろうな?」
 ハンターさんに依頼ですねぇ。
 さて、最後に。
「わたしか」
 ヒュドラさんの分は、ご老体のカードがないので省略で。
「…………」
「で、いつまでTSしてればいいんだ?」
 宴会終わるまででどうです? 司会のお姉さん。
「司会じゃなくてアナウンサーだ。じゃなくて、ホントに戻せるんだろうな?」
 ハンターのカードは一枚しかないので、アルトちゃんに救援を呼んでもらってます。
「バカちー、なんか『状況が専門外だから確約できないし、こっちも緊急事態だからすぐには引き受けられない』って言ってるぞ」
 あら?
「……つまり、確実に戻れるのは一人だけ」
「(ごくり)」
 なんだか一触即発って感じですねぇ。
「誰のせいだよ、ひとごとみたいに」
 しょうがないから、このカード殖やしましょう。
「「そんなことできるのかよ!?」」

「さて、無事終わったところで、ちさとちゃん」
 はい?
「思ったんだけど、この『状況再現』だっけ? あまり意味ないからやめないかい」
 えー、やめたら串カツどうするんですかぁ。せっかく楽しみにしてたのに『次回に乞うご期待っ』とか言われちゃったんですよ?
「……わかった、それくらいなら明日おごってやるから」
 それならおっけー♪
「まったく、妙に食い意地が張ってるところ、なんだか弟に似ているよ」
 妹じゃなくて?
「……うーん」

 ……というわけで天稀さん。全会一致で『もうやめろ』だそうです。
「酷っ! なにそれ、いぢめ?」
 意見書も貰ってきましたよぉ。ええと『そんなもの企画するくらいならさっさと次回作を出せ。きりか』だって。
「うっ、なかなか厳しい意見だな、怨念の主」
 ヒュドラさんは『せっかくついていったのに、あまり勉強にならなかった』だそうです。
「それは責任持てない。」
 サイザーさんから『魔王様はこんな性格じゃない、脚色するな』とか。
「えー? 女の子が王者したら『隠れさびしがり屋』はデフォだろ」
 それを脚色って言うんですよぅ。
「つかサイザーって誰だっけ?」
 他には、マリーさんから『ごちゃごちゃしすぎて何が何だかわからない』なんて言われてます。
「あーそれは。『類は友』なんて言いたくないが、カオスなメンバーが集まるからなぁ」
 あ、これはアルトちゃんですね。ええと『招集したからには、当然費用はお前持ちだよな? 振込用紙送っとくぜ』だって。
「ぐはっ」
 同じように請求書が9枚来てます。
「……貧乏人の天稀に、そんな金のあるわけがっ」
 お金がないならなおさら、もうやめたほうがいいんじゃないですかぁ?
「やめたらちーちゃん、おいしいもの食べれないよ?」
 俊行さんに食べさせてもらうから大丈夫ですよーだ。
「Σ( ̄□ ̄;)いつの間にそんな仲にっ!?」 (※なってません。)
 えっへん♪
「いや自慢にはならんて」


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Last-modified: 2008-07-09 (水) 06:56:55 (5787d)