シクザール( S c h i c k s a l )


[1287] たま視点オフレポです。

フィクションオフレポート 『運命は、ドイツ語で言うとシクザール( S c h i c k s a l )』

出演者:
微風ろろみ(こうけいさん代理)
時雨フルミ(華村天稀さん代理)
ルージュ(猫野丸太丸さん代理)
相川翼(セル=せるさん代理)
シュガー☆サンデー(おもちばこさん代理)
野々村優希(英雄さん代理)
荒野鋼(バレット代理)
レオナ(射的コーナーの店主代理)

 その頃、微風ろろみは……
「ふわああああ…… やっとのことで編集終わったー。夜通しやると疲れるよ。でも、これからみんなと会うんだから、もう少し空元気ふりしぼっていかなきゃ!」

 その頃、時雨フルミは。
「銃刀法違反だぁ? 違うわ! だから俺をとっとと解放しろ!」

 その頃、ルージュは。
「ん? これ、レオタードなのだー。……それが何か?」

 その頃、相川翼は。
「神様が時間をくれたんだ、今日は思いっきり楽しもう♪」

 その頃、シュガー☆サンデーは。
「相模湖まで連れてって。お・ね・が・い♪」

 その頃、野々村優希は。
「今日のスケジュールは大変だぞっ。相模湖に行ったら、そのあと真吾と…… あーっ忙しい♪」

 その頃、荒野鋼は。
「違う地図をダウンロードしちまったぁぁぁぁぁぁあああっ!」

………………………………………………………………………………………………

 相模湖駅。
 その日は晴れ。太陽もさんさんと輝き、涼しい風が舞う。
 訪れる人は少ないが、それでも花見に訪れる人たちでにぎわう。
 田舎でもなく、都会でもない、平凡な町。だが、そこから一歩踏み出せば相模湖駅の独特な空気に満ち溢れている。商店街にはたくさんの商品が並び、大きな相模湖周辺の地図も自らを大きく掲げて観光客を案内するという立派な仕事をこなしている。
 そんなのどかな駅に。
「遅れましたーっ!」
 金髪にコート、テンガロンをまとった、13歳ほどの少女、鋼が駆け込んできた。改札口に切符を通すのも疎ましく、切符を手裏剣の要領で改札に投げつけて大きくジャンプ。そのまま、駅の外へと転がっていってしまった。かっこよく着地するはずが、足をひねり、頭から落下して、もくもくと土煙を巻き起こしながら。
「あのバカ、大丈夫か?」と、銀髪の少女フルミ。
「最近覚えた回復の魔法、キツネさんにも効くのかな……?」と、魔法少女サンデー。
「さながらユーギちゃんなのですー」と、ルージュ。
 あとの優希と翼は、ただただ大粒の汗を流して、鋼を見守るだけだった。

 鋼が土をはらうと、ド○モダケのストラップがかわいく飾られている携帯電話を持つ、高校生くらいの可憐な少女、翼はぺこりとお辞儀をした。
「はじめまして。わたし、相川翼です。今日はよろしくお願いします」
 相川翼が挨拶を済ますと、フルミが腕を組んで言う。
「へー。翼って言うのか。偶然だな、ここにいる鉄砲フリークも翼って言うんだ。ちなみに、キツネの耳と尻尾の化けギツネだけどな」
「誰が化けギツネだ、せめてお稲荷とか言っとけ。しかも帽子取るな、コート翻すなヴォケ!」

 フルミは、携帯電話で日程などを確認していた。そしてパタンと綴じてポケットの中にしまうと、みんなに報告した。
「仕事の関係でろろみは遅れる。俺たちで先にお花見やってようぜ」
「じゃあ、おれは先に相模湖公園に行って、いい席を陣取りしておくよ。またあとで会おうねっ」
 くるっと踵を返し、優希は乗ってきたスクーターにまたがった。高貴な真紅のボディを持つ、美しいバイクだった。それが走り出すと、ボディと同色の真紅の残光がきらめき、そして鼻歌を歌うように軽やかなエンジン音を響かせながら、優希のスクーターは商店街を抜け、相模湖へと向かい、走り出したのだった。
「じゃあ、わたしたちも行くのだー。ところで、お花見って何をする? 桜を見て楽しむだけか?」
「…………」×一同
 ルージュはやはり、悪魔(つまりは世間知らず)だった。

 そして一行は、相模湖へと到着。
 いざ、お花見を楽しもうと意気込んでやってきた配意のだが。
「………… ……これって、あり?」×一同
 何と、相模湖は都会ほど暖かくないせいか、桜の花は満開どころか、半分も咲いていなかったのである。
 しかも、花見客はまばら。
 意気込んで重箱やお菓子、飲み物を用意していた優希も、完全に沈んでいた。
「……お花見、どこでやる?」

 結局、桜の花と相模湖がよく見える芝生のうえで行うことになった。
 お菓子と飲み物、出納、紙コップ、ボトルジュースなどを広げるが、肝心のレジャーシートが足りない。その時、サンデーが名案を出したのだった。
「わたしが、童話に出てくるような『お菓子の家』を作ってあげる。そうすれば、眺めもいいでしょ? 亞、でもそうしたら窓からしか見られないから、お菓子の塔にしようかな」
「おー、さすが魔法少女なのですー。それでは早速お願いしちゃうのだー」
 サンデーの名案に、ルージュが(半ばやる気のなさそうな)拍手で称える。
「それでは! 『サンデー☆スウィーツタワー』!」
 芝生の上で、サンデーは魔法の杖を一振り。すると彼女の目の前に巨大魔法陣が出現し、そして次の瞬間、高さ10メートルほどの、低くもなければ高くもない、ちょうどいいくらいの『お菓子の塔』が出来上がっていたのだった。外観は、チョコレートのレンガに同じデザインの階段、レンガの途中にはケーキの飾りつけ。階段の外側にあるフェンスは全て棒キャンディー。そしてそのフェンスの両端には、マロンケーキが飾られている。そして頂上のステージは、渦巻きキャンディーでできている。ちなみに、全て食べられる。
 鋼、ルージュ、優希、翼は、その色とりどりのスウィーツがぎっしりと敷きつめられたような巨大な塔を見上げ、声も出ないほど感激していた。
「……『おかしな塔』なだけじゃん」
「フルミ。サンデーがせっかく作ってくれたお花見特設ステージ、貶したらこのオレが潰す」
 唯一呆れ果てただけのフルミに、遠慮なく鋼はウィンチェスターの銃口を向ける。

 ここに来て、鋼は1つのゲームを取り出す。
「こんなの持ってきたんだけど、みんなでやんない?」
 それは、囲碁セット。ちなみに、よく見かける19路や13路盤ではなく、19路の1/4のサイズ、9路盤だった。
「花見に日本のゲーム。いいな。けど、ちっとこのボード小さすぎるぜ? それに、囲碁のルール分からない人もいるんじゃないのかな。つか俺分からん」
 そう言うのは、フルミだった。
「ああ、ごめん。ボードゲームを探しに行ったとき、ルールが簡単、かつ持ち運びに便利なものはこれっきゃなかったんだ。まあ、五目並べってのも手だけど、それはボードがなくてもできるっしょ」
「碁石が足りん。鋼、そこの売店で何か買ってきたほうが早いんじゃねぇ? トランプとか」
「そうだね、ゲームコーナーにトランプも探したけどなかったし。ルージュとオレで探してくるよ」
「え〜、ルージュも行くのですかー」
「つべこべ言うな。じゃあ、行ってくるわ」
「ゲーム探しなどお前一人で行ってきやがれです」
 鋼はお菓子の塔を降り、ルージュはそれについてゆく。集まった6人の中でも囲碁のルールを知っているサンデーと翼は、鋼が持ってきた囲碁を広げて、ルール説明もかねて碁石を並べ始めるのだった。
「黒が先手ね。じゃあ、わたしから行くよ〜♪」
「はい。お手柔らかに」

 さて、相模湖公園の売店では。
「ねぇなー」
「ないですねー」
 鋼とルージュがトランプを求め、売店という売店を探し回っていたのだが、ついに見つからなかったのだった。花札やその他のおもちゃや、キーホルダー、お土産ならたんまり置いているのだが、トランプという限られたゲームとなるとやはり探すにも限界があるのだろう。
「じゃあ、もうらちが開かないので花札にしましょー。あたしが『悪魔の花札』のルールを教えてあげますよ。ふふふふふ……」
「魂取られそうで怖いな。いや、それよりもあのカードゲーム漫画に出てくるような『闇のゲーム』でも展開すんのか?」
「千年アイテムなんか持ってきていません。現実と虚構の世界をぐっちゃりにするのはやめやがれです」
「ぐっちゃりって、何かが潰れたような……」

 だが。
 鋼とルージュが帰ってきた頃。
 碁盤はすごいことになっていたのだった。

「つっ、翼ちゃんすごい…… って言うか、わたしが逆転負けされてしまいました……」
 驚愕するサンデー、フルミ、優希。
 何と、黒の陣地と白の陣地はおよそ半々で碁盤のほとんどの領域を占領していたものの、わずかな差で翼(白石)の陣地のほうが大きかったのだった。
 はじめは、黒石を囲いかけた白石はさらに黒石に囲まれ、ほぼ瀕死状態にあったという。だがいつの間にかゲームを続けているうちに、死に掛けた白石は息を吹き返し、黒石を囲って見事に逆転勝利を収めたのだとか。
「ありがとうございました♪」

 それから、ルージュのルール説明もあり、花札でも充分盛り上がった。
 花見開始から1時間もすると、涼しい程度に冷たかった風も温かくなり、桜の花も開き始めた。わずかだが見物客も増え、そして商店街や芝生の上もにぎわってきた。相変わらず、お花見とゲームを楽しんでいるブルーコスモスの面々だが、それはそれで楽しそうに盛り上がっている。
 鋼は少し歯がゆかった。どうせならチーム対抗戦で囲碁バトルを繰り広げたかったのだが、うまくそうもいかず、サンデーVS翼のワンマンバトルショーを繰り広げて終わってしまったのだから。だがそれはそれで盛り上がったので、結果よし、とした。
 そして、時刻にして昼前。フルミの携帯電話にメールの着信が。
 ひょっとしたら。そう思ってフルミは、携帯電話のメールボックスを開く。すると。

『今、高尾駅です。あと10分もしたら、相模湖に到着します。   ろろみ』

「だってよ」
「んじゃあ、オレが行くわ。目立つだろ」
 鋼がコートを翻し、テンガロンハットをかぶって立ち上がった。
「別の意味で目立つ。全身ウェスタンのほうがどうかしてる」
「人の趣味に鶏知つけるな、銃刀法違反が。つかツヴァイハンダーを持ち運ぶ意味があるのか、それに電車には2メートルを超えるものは持ち込んじゃいけないはずだろ!」
注:ツヴァイハンダーは明らかに酷く長い剣。また、電車に持ち込める大きさ、長さ、重さによっては制限があるのだとかないのだとか(あるんだよ)。
「そこは、うまくごまかしてきた」
「どうやって!?」
「ウィンチェスターなんて持ってるやつに言われたくない」
「これは玩具銃だ、それにケースに入れて運んでっから違反じゃねぇ! 一般常識わきまえろや!」
「じゃあ、そのキツネ耳と緋色のつめはどう説明する? 一般常識もくそもねぇだろ」
「そしたら『落雷』のストーリー自体成立しねぇよ、そこ目ぇ瞑れ!」

 さて、そんなこんながあったが。
 来た道を戻って、相模湖駅前の商店街に到着。
「商店街か、にぎわってんな。うん、こういうところで荒くれガンマンと決闘、そして町は銃撃ショーに大騒ぎ、こういう展開いいんじゃね? ……ここは21世紀の日本だけどな」
 と、一人妄想を膨らませるウェスタン少女、鋼。そこに、鋼の携帯電話にメールが届く。

『やっぱり花札で遊ぶにも限界があんのよ。トランプ探してこい化けギツネ』

「フルミのやつ、帰ったらマジ化かしてやる」
 鋼は勢いよく携帯電話を綴じ、そしてきつく握ったのだった。あともう少し握力があれば、軽くボディとディスプレイに亀裂が入るほどに。

 そして、相模湖駅に電車が到着。
 おそらく花見か何かのツアー客が、どっと改札を通り過ぎる。その中に、ウワサの文学少女の姿を発見。リボンで髪を飾り、学生服をまとっている。傍らには大きなボストンバッグ。教科書や筆記具のほかに、メモ帳や今回のお花見に見せてくれるものが詰め込まれているようだ。
「やあ、ろろみちゃん。お久しぶり! 遠いところからマジお疲れ!」
 鋼は、ろろみを見つけるなり手を振って呼んだ。誰が見ても目立つウェスタンファッション。ろろみは、すぐに鋼に気づいた。
「久しぶりだね、鋼さん。どう、みんな盛り上がってる?」
「まあね。でも、ちょっと寒いせいか桜は満開とまでは行かなかったのは残念だけどなぁ」
「しょうがないよ。来年は都心でやらない?」
「そうだな、神保町とか」

 そして、ろろみを相模湖公園まで案内した鋼。
 だが。
 ここに来てまたしてもすごいことになっていたのだった。

フルミ:「つっ、強ぇ……ッ!」
翼:「強すぎます……!」
優希:「そんな、こんな大差が?」
ルージュ:「ええと、点数を数えるまでもないのですよー」

 そう、サンデーの一人勝ちが、続いていたのだった。
「なぁなぁ、何が起こってんの?」「へぇー、花札ですかー」
 鋼とろろみが覗き込むと、ひたいにすだれを引いているフルミが、震える声で答えたのだった。
「サンデー、神の領域までに強ぇ……」
 そして、とうのサンデーは得点の高い札を並べ、そしてニコニコ笑っていたのだった。
「さっきの囲碁では翼ちゃんに遅れを取ってしまいましたが、ちょっとがんばればこんなもんです♪」
 その様子を見て、鋼とろろみも驚きを隠せなかった。
「きっと、マリーやマルフォラたちの影響なんだろうな……」
「マリーちゃんが来ていたら、きっと誰も手も足も出ないんだろうなぁ」

 そして、そのバトルを最後に、優希が帰り支度を始めた。
「ごめん、午後からちょっと予定があるんだ。おれはこのへんでお開きにするよ」
「そうなんだ。せっかく会えたのに、もうお別れなんて。また会えたらいいね」
 ろろみは、荷物をまとめヘルメットをかぶった優希に握手を求めた。優希も、にっこりと微笑んでその手を握り返したのだった。再会を約束した2人はゆっくりと、そして名残惜しそうに、その手を離した。
「みんなも、じゃあね。楽しんでね」

 その後、ろろみを含めた新たなる6人で、お花見は再会された。ゲームを楽しんだり、近況を報告しあったり、お菓子やご飯を食べたり。この頃には先ほどよりも桜の花も開き、涼やかな相模湖の風も温かくなってきた。
 やがて、お花見とゲームをひとしきり楽しんだ一行は、荷物をまとめ、売店めぐりに繰り出した。そこでは相模湖オリジナルのお土産や、おもちゃ、キーホルダー、飾り物などが売られていた。すぐそばには遊覧船やボートの乗り場、ゲームセンターもあったが、まずは見て回ることに。
 その時、鋼の血が騒ぐものを発見。それは、射的コーナー。みんなが前に進むところ、鋼1人だけ、違う方向に……
「おーい、化けギツネ。どこ行く?」
「うっせぇフルミ、マジで化かすぞ」
 その2人の会話に、ルージュたち4人も振り向く。射的コーナーの看板には、『1万円で撃ち放題(かもしれない)』と書いてあった。
「みんな、これやろうぜ! なーに、安い料金(コース)でも結構打てるぜ?」
ルージュ:「射的ですか。だったら魔法で全ての商品を一毛打診なのですー」
ろろみ:「それを言うなら一網『打尽』」
翼:「みんながやるなら。やってみようかな……?」
サンデー:「勝負勝負♪ マリーに飛びっきりのお土産を持って帰るぞー!」
 というわけで、半ば鋼の強引な誘いによって、5人は射的コーナーに連れて行かれてしまった。

 射的台の向こうには、ネコ耳少女のレオナがいた。
「って、少年少女文庫のマスコットが何でこんなところにいるんだ!?」
「ん、みんながここでお花見をやるっていうから、わたしも来たのだニャン♪」
 唐突のレオナの登場に、口をあんぐりと開けて呆然とする6人。だが、鋼は気を取り直し、料金表を見た。表の看板はまあいいとして、弾数に対してこの値段は安い。これは、ここでやっておかずにいらいでかっ!
鋼:「よーっし、一皿買ったっ! みんなもやろうぜ!」
ルージュ:「レーゲンボーゲン(デュアルの魔法 主にフリューゲルが使用)でみーんな選別できるのにです」
ろろみ:「それを言うなら殲滅」
フルミ:「軽く高額の景品を打ち落としてやっぜ」
サンデー:「あまいものがいいなー、魔力充填のために」
翼:「うーっ、緊張します」

 6人はそれぞれライフル銃の使い方を習い、そして射的に挑戦。レオナの承諾も得て、一皿に盛られた銃弾を公平に分け合って射的を楽しんだ。
 鋼ははじめ、ウィンチェスターほど上手には扱えなかったものの、そのライフルが持つ癖を理解すると、何とか2つ、景品を打ち落とすことに成功したのだった。他の面々も射的で大いに盛り上がり、いくつかの景品をゲットすることに成功。ひと癖もふた癖もある射的用ライフルに、戸惑うことも多々あったが。
 そして、鋼の所持弾数があと2発となったところで、ろろみの銃弾が切れてしまった。狙っていたものがあったが、それは何とかわいらしい人形の鈴。名残惜しそうにゲームを終えたが、鋼はそれを狙い、ロロに渡すことにした。
「あーっ、ちょっと残念。コルク(銃弾)がなくなっちゃった……」
「任せといてくれ、ろろみ。絶対にオレがぶち抜いてやる」
 鋼はろろみの隣に立って銃を構え、そして狙う。だが、先ほどの景品2つをゲットしたことで集中力が切れたか、残り2発もあったというのに当てることができなかった。
「だーっ、畜生! このまま終わってたまるか! だが、軌道は読めている、あと1発あれば! レオナ、あと1皿くれ、これで仕留める!」
「はいニャン♪」
 鋼はレオナからもう1皿もらうと、その中から1つの銃弾をつかみ、レバーを引き、銃口に詰める。そして、ゆっくりと息を吐き、片目を瞑り、フロントとリア、2つのサイト(銃弾の軌道をあわせるための見当のこと)と、ある一点を凝視、トリガーに指をかける。
 勝負の一瞬。レバーが逆戻りし、銃弾を叩く。わずかに左寄りの軌跡を描きながら、見事にコルクの銃弾は、人形の鈴を狙い当てたのだった!
「っしゃあ! やったぜ!」
「わはーい、おめでとうだニャン♪」
 レオナは滑り落ちた鈴を手に取り、それを鋼に手渡した。それを手に取った鋼、一人感激に浸っていた。
「オレが、オレが当てた景品…… ああ、銃が好きでよかった……!」
 ひとしきり眺めたあと、鋼はそれを、ロロに差し出した。
「ほら、狙っていたものだろ?」
「ううん、いいんだ。楽しめたから」
「そっ、か…… じゃあ、これはオレがもらっとくわ。でも、銃弾残っちゃったから、あとはみんなで楽しんでくれよ。オレはもうこれでストップしとかなきゃ」
「あははは、そうだね。ずっとやり続けちゃうかも」

 そして、鋼が買った銃弾をまたみんなで分けあってひとしきり楽しんだあと。
 ケー○イ少女たちのお花見はこれにて、幕を閉じたのだった。

 その後、二次会として八王子の喫茶店で会話を楽しんだあと、3次会として鋼、フルミ、サンデー、翼の4人でカラオケ屋で代熱唱したのだが、それはまた別の話。
 ただ、そのときの様子を簡単に述べると。
 鋼はかなりロックな歌ばかりを歌っていた。それ以外のアニメ曲はかなり音程を外していた。
 フルミは咽に負担がかからない歌もチョイスしていたが、大半が電波ソングだった。
 サンデーと翼がとても上手だった。中にはアニメ、電波ソングもあったが、強烈パンクロックが飛び出したときには誰もが震えた。


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Last-modified: 2008-06-04 (水) 22:51:23 (5822d)