北海道オフてんまつ?

 多くは語るまい……


登場人物

時雨フルミ
この話の主人公?

一般的経験が色々欠如してたり、口よりも先に手足が飛んでいったりする可憐な女子高生。
微風ろろみ
小説作家。見た目は女子高生だが、中身はメンバー中最も年齢が高い。
荒野ツバサ
キツネ耳のガンファイター少女。イヌ科なので雪ではしゃぐ。
碓氷冬雪
メイデンズの中心人物? 超絶的な大食い中学生。
勇貴ウミ
桜ヶ丘の変な事件に巻き込まれ少年になっちゃった少女。名札に『勇貴海』とだけあったので名前を『カイ』と間違えられてる。
宮ノ森かなみ
プラナリアな少女。二日目から合流のはずだが……

[680] 北海道オフてんまつ?(1/3)

「……を再現するにあたって、各メンバーの代理でそれぞれ一人ずつ出て来てもらおうかと」
「面倒くせえなあ。なんでオレなんだよ?」
「皆に一番知られてるからです。やったねフルミ、一番人気だ♪」
「ドレッドノートのやつでいいじゃねえか」
「飛鳥? だめだめ、あれはマイペース過ぎるし。それに『雪はイヤ』っつって出てきてくれないの」
「なんだそりゃ?」

 つーわけで、羽田空港というところに来た。馬鹿監査のやつは飛行機にそこそこ乗り慣れてるらしいんだが、オレのほうは飛行機も飛行場も初めてなんだよな……
「あ、もしかして時雨さんですか?」
「ん、もしかして微風ろろみ、さん?」
「はい、これから三日間、よろしくお願いしますね」
「ああ、こちらこそ、よろしく」
 なんかこう、女の子女の子した感じのコだ。スプリットがどうこうで実は中身は男だ、って聞いてるんだが全然そうは見えないな。
 さて、もう一人は……
「ここだ、ここ。遅いぞ?」
「ああ、悪いな。馬鹿監査のせいで乗り過ごし……って」
 うわぁ、ホントにキツネ耳なんだな。
「ええと、荒野ツバサさん、かな?」
「ハガネって呼んで欲しいんだが」
「……名簿には赤字で『偽名を名乗りたがるので注意』って書いてあるな」
「いや偽名じゃねーよ!」
「それはそうとして……その耳さわっていいか?」
「……ヤダ」

 さて、遅れたとはいえ時間はあるから、とりあえず昼飯だな。
「ろろみジュース、ないかしら?」
「何それ?」
「トマトジュースとヨーグルトのブレンドです、おいしいんですよ」
「へえ〜」
 味の想像がイマイチつけられない、変わった組み合わせだな。
「なあなあ、これなんておいしそうじゃないか?」
「ん、羽田限定・ドライカレー弁当?」
 気になったので買ってみた。
「……少ない」
「……足りない」
「二人ともよく食べる人なんですねー」
 まあ、腹が減っては戦はできぬって言うけど、喧嘩しなけりゃ大丈夫か。

 時間なのでゲートへ。
『ビーッ』
「「ほぇ?」」
「「お客様、申し訳ありませんが……」」
「「えぇぇえ!?」」
 ありゃ、どうやら二人は何かが引っ掛かって、再検査らしい。キツネ耳でも検査にかかったのか?
「うう、身ぐるみ剥がされそうになった……(涙)」
「ご愁傷様。つか怖いとこだな空港って」
「ううう、なんであたしまで……」
「まあ、不運だったと思うしかないな」

「うわぁ、見て見て、雲の地平線!」
「おぉ、すげー! 八郎潟の淵が夕日で光ってる!」
「奇麗ー」
 何処の田舎者だ、てめえらは。
 いやオレも飛行機に乗ったのは初めてだが、もしここで飛行機が故障でもしたらどうしようもない。そう思うと、どうしても不安が先に立つ。
「フルミさんもご覧になります? 素敵ですよ?」
 損な性格なのかもしれないな。もっとも、このおかげで今まで生き延びてるんだと思ってるんだが……
「反応ねーな……ほら、おまえも見れー」
「っとわ!? いででで、首ひっぱるな! 窓に押し付けなくても見えてる見えてる! てかいきなり何する!?」

 千歳に到着。
「なんか無駄に疲れた……」
「すみません、はじめてだったからはしゃいじゃって……」
「いや、いいさ。それより……」
「うわー雪だよー寒いよー窓が大きいよー」
「……何なんだあのはしゃぎようは」
「ほら、キツネって犬科ですし。『♪犬は喜び庭駆け回る』って言うじゃないですか」
「…………」
 そうか、キツネって犬科だったのか。

 切符を買って札幌へ。
「さて、このへんで合流のはずなんだが」
「どなたと合流するんですか?」
「詳しくは聞いてないんだが……もしかしてあれか?」
 向こうの方に、なんだか黒っぽいオーラに包まれた少女が何人か。
「ようこそいらっしゃいました(棒読み)」
「帰れ。」
「は?」
「卜部アキ、っつーたな。おまえはオレとキャラ被るから出現禁止だ」
「んだと? 初対面でいきなり言う事それかよ! ざけんな!」
 少女アキが殴り掛かって来た。中坊の分際でこのオレに挑みかかってくるとはいい度胸だ、と言いたいが意外にキレのある攻撃すんなコイツ。
「ちょっとフルミさん!?」
 外野が何か言った気がするが、気にしない。
「やるじゃねえかこのガキ」
「誰がガキだ、このオバン!」
「誰がオバンだ」
 このクソガキ、絶対にシメてやるから覚悟しやがれ――
「あーあ、ホントにケンカっ早いんだ、あいつ。聞いてはいたけど」
「秋綺ちゃーん、お客さーん、ケンカやってる場合じゃ……ダメだ、まるで聞こえてないよ」
「すみません、うちの馬鹿が」
「いえ、あれは……お互い様、だと思います」
「それじゃ、あの二人は放置してホテルに行きましょうか♪」
「え? いやそれは……」
「だめだよ春花ちゃん、あんな危険なの置いて行ったら迷惑だよ」
「冬雪って……たまーにすごい爆弾発言するね」
「それにな、ホテルの予約は全部あのでかいほう(=フルミ)が握ってるんだよ。だから嫌が応にも連れて行かないと、チェックインできない」
 ああもう外野がゴチャゴチャうるせえが、かまってる暇はねえ!
 こいつ、間違っても『所詮は中坊』なんて侮れねえ、拳銃持ったヤクザよかよほど手強い。オレと同じで、我流っぽいのにどの動きも洗練されていて隙がない。そうまるで、死闘を何度もくぐり抜けてきたかのよう……
「ああもう――二人ともいい加減にしなさい!!」
「「!?」」
 突如すごい迫力で響き渡る怒声。あまりの迫力に思わず、二人揃ってコブシを止めちまった。
 声の主は――たしか、碓氷冬雪とかいう、元少年。
「こんな通りのど真ん中でケンカなんかして、周囲に迷惑がかかるでしょ! 秋綺ちゃん中学生にもなって、そんなこともわからないの!?」
「いや、その……えーと、ごめんなさい」
 卜部アキ、あっさり白旗。まるで母親に叱られる子供だ。
「お客さんも、いい歳してやっていいことと悪いことの区別もつかないんですか!?」
「いやぶっちゃけ、んなもん教えてもらえるほど悠長な人生送ってなかったし」
「言い訳しないの!」
「……いい母親になれそうだな、おまえ」
「話をそらさない!」
「わかった、わかった。悪かった」
「『わかった』は一回でよろしい!」
「……細かいヤツだな」

 んで、合流した四人からは肝っ玉母さん、もとい冬雪が同行することとなった。理由は、他の人間よりもオレを止めやすいから、だそうだ。それじゃあオレが年がら年中ケンカ暴れしてるみたいじゃないか――あれ、あながち間違ってないな。
「そういえば、メイデンズって五人いるんじゃなかったっけ?」
「……なんで『不良狩り』がメイデンズのこと知ってるんだよ」
 やべ、秘匿条項なんだった。まったくあの会社、何でもかんでも情報収集しては秘密にしたがるくせに、身内にゃ話しまくるんだからタチが悪い。
「あー、えーとその、風のうわさで――って、何でその通り名でオレを呼ぶ?」
 『不良狩り』がオレのことだって知ってるのは、それこそ会社の連中くらいのはずなんだが。
「え? ああ、えーとその、風のうわさでチラッと聞いて……」
 ……なーんか怪しいが、まあお互い様か。
「で、五人目は?」
「終里なら、三四郎とデートじゃない?」

「参ったなぁ、すっかりみんなとはぐれちゃいましたよ。どうしましょうか、終里ちゃん?」
「とりあえず、適当に歩いていれば合流できると思うよ」
「そうですね!」

「……ってな感じ」
「なるほど、わざとはぐれたんですね」
「それじゃ、私たちも行きましょうか」
「ああ、またな」
「いい、冬雪? 変なコトされそうになったらすぐに呼んでね、きっちり殺してあげるから」
「物騒なやつだな、ってか何でオレを見る?」
 というわけで三人ほど去っていった。なんつーか騒々しい連中だったな。
「んじゃあらためて。碓氷冬雪、だっけ? 三日間のガイド役よろしく」
「あ、はい、こちらこそよろしくお願いします。ええと時雨さんでしたっけ?」
「フルミでいい。んでこっちは――」
「微風ろろみです」
「荒野鋼だ」
「ところで、ここでもう一人合流じゃなかったか?」
「そういえばそうでしたね。ええと……あれかな?」
 彼女が指差したほうには、カバンの下でのびてる少年が一人。ってこのカバン、オレのじゃないか。
 そういや、さっきのケンカでかばんを投げ飛ばしたんだっけか。
「きゅうぅぅぅぅぅ……」
「……フルミさぁん?」
「ぬう……いや、悪かった、謝るからジト目で見るのはやめてくれ、ろろみさん」

 というわけで、最後の一人を担いで運び、とりあえずホテルへ。『勇貴海』というらしいが、カイなのかウミなのか。
「カイではないですか?」
「ですね」
「だな」
 おいおいそんなあっさり決めていいのか?
「作家さんがそう読むんだから、合ってるんじゃないですか?」
 ……それもそうか。

 カイ君が起きるまでは時間がかかりそうなので、続きは次回ってコトで。

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 ……オフの顛末をつづるつもりが、なんかわけのわからない文章になってきた気がしますが、そのまま投入。
 ちなみに、フルミとアキちゃんは多分あれです、殴り合って成立する漢の友情ってやつが、芽生えてるんじゃないかと(ぇ

……現在

 続きが一年くらい放置された状態。つまり……

現地の季節
 永遠に雪祭り。
ホテル組(かなみ以外)
 一年近く北海道のホテルに在住し続け、今日はラーメン、明日はビアガーデンという具合に遊び歩いてる。
かなみ
 もう一年近く、飛び続けてる北海道行き航空便の中。よく燃料が(ry

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Last-modified: 2007-11-17 (土) 10:53:04 (6021d)