*山陽新幹線 国鉄色0系新幹線、寝台特急『サンライズ』 [#w9098388]
鉄子さん、初登場?
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こんばんは。 北村桜です。
今回は東京出張ということで、いわゆる『鉄子』になってみようと思います。 デジカメの充電を忘れてきた((2日後、秋葉原で購入。))というのは、私にとって情けないことですが。
もはや山陽地区でしか見ることのできない、0系新幹線。未だに新幹線と聞くとこの形を思い出す人も多いはずですが、私もその一人です。
山陽区間を走る0系新幹線では、黄緑とグレーの塗色が普通で、微風さんと栗原さんが先日撮影された『ろろみ号』((第14回オフ参照。))もそうでしたが、秋の引退を前に、一部の編成が登場時の塗色、いわゆる『国鉄色』へと塗り替えられました。
こんな粋な計らい、逃すわけにはいきません。
6月5日、20時40分。こだま674号は定刻通り、広島駅に入線してきました。
JR西日本のホームページで、国鉄色0系新幹線で運行される予定の列車は公開されているのですが、これはあくまで『予定』。実際は来てみるまで分からないのですが……
来ました。国鉄色。(o○o)
まあ、色が変わっただけで中身は変わっていません。6両編成ですが、この列車は昔を思い出させる、博多から新大阪までの(こだまとしては)ロングランの列車です。
中に入ってみると、往年の写真が飾られています。今、その色と同じ列車に乗っています。
車両の製造は昭和56年から60年、0系としては最後期の車両になります。いわゆる『かまち』と呼ばれる、窓の下部にある物置が存在しない車両なので、物の置き場には難儀します。
私が席を確保したのは3号車。今は使われなくなった車内販売の設備が残されています。デッキへの入り口がほぼ車体幅の真ん中にあることから、元はグリーン車として製造された車両ではないかと思われます。その証拠に他の車両は、入り口が妙に山側によってます。
シートはおそらく、廃車になった100系車両から流用された、リクライニングシート。山陽新幹線のこだまは、基本的に2列x2列の配置となっています。最新の車両に比べると、テーブルもかなり狭いです。私の愛機も置くだけでやっとです。禁煙車の乗客は非常に少ないので、ちょっと横のテーブルを拝借……
ちなみに、喫煙車はそこそこ客がいますが、1両だけある指定席(禁煙)は、両手があれば確実に数えられるほどの乗客でした(笑)
21時17分、三原駅で停車中の所、横をN700系のぞみが通過していきました。最新型と初代のコントラストが美しいと思います。これも、あと半年で見られなくなるのでしょう。
21時26分、新尾道駅を出発するのと入れ替わりに、反対のホームに100系のこだまが入線してきました。新幹線としては少々不釣り合いな4両編成です。
100系が引退するとき、この0系のような粋な計らいは行われるのでしょうか。ちょっと気になります。((なさそうな気が……))
21時48分、新倉敷駅で停車すると、これまでは乗客が降りる一方だった車両に、少しばかりの乗客が乗り込んできました。私が後ほど乗車する列車とのかねあいで、こういう方も結構いらっしゃるようです。気になる方は調べてみましょう(笑)((後にこうけいさんが解説。新幹線と在来線特急を乗り継ぐと在来線特急料金が半額になって、この場合差し引きで750円安くなるため。))
22時04分、列車は定刻通りに岡山駅へ到着しました。ここで0系新幹線とはお別れです。
私が初めて新幹線に乗ったのは、この0系車両でした。100系すら登場していなかった頃なので当たり前といえば当たり前なのですが、引退となるとやはり寂しく感じます。
0系が引退した後、駅にある新幹線乗り場の案内アイコンや、ケータイの絵文字はどうなってしまうのでしょうか。かなり気になります(笑)
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0系新幹線を降りた私は、在来線ホームへと移動します。
しばらく待った後、『それ』は静かに入線してきました。
『サンライズ』。ガンダムとは関係ありません(笑)
この列車は、山陰と東京を結ぶ『サンライズ出雲』と、四国と東京を結ぶ『サンライズ瀬戸』とが、この岡山で連結され、そのまま東京へと向かいます。一年に何日か、広島と東京を結ぶ『サンライズゆめ』なる臨時列車も運行されるようで。
ダイヤの都合上、岡山での連結作業を確認できるのは、『サンライズ瀬戸』の乗客、または岡山からの乗客となります。せっかく見られる状況ですので、急いで夕食((カレーでした。))を購入した後でそれを拝見し、そそくさと乗車します。
『サンライズ』は寝台が全て個室の列車。私は今回、奮発して最も高いA個室『シングルデラックス』を確保しました。
この『シングルデラックス』、様々な寝台列車で同名の個室が存在するのですが、『サンライズ』のそれはその中でももっともグレードの高い設備を持っているそうで。
それは、部屋に入った瞬間に分かりました。
下手なビジネスホテルのシングルルームより、はるかに上質です。まさしく『動くホテル』。
住宅メーカーが設計に協力しているというその部屋は、昔の寝台列車では考えられないような空間でした。行く前に旦那から『寝台は酔ったら寝られる程度』と言われましたが、杞憂のようです。
荷物を置き、ベッドに腰掛けてみます。幅はさほど広くありませんが、あくまで上質。ふと天井を見上げると、液晶テレビが備え付けてありました。衛星放送は見放題だそうです。
2階建て列車の『サンライズ』、その2階にあるこの部屋は、夜景も見放題。新幹線とは違い、様々な表情を持つ在来線沿線の夜景を見つつ、列車は走り続けます。
今回はA寝台を確保しましたので、同一車両内にあるシャワールームを追加料金なしで利用することができます。それ以外の乗客の方は、そのほかの車両にあるシャワールームを、利用券を購入することで利用できるようになりますが、こちらは水タンクの容量の都合上、数に限りがあるようです。
疲れているので、早めに利用することとします。ちなみにアメニティグッズは、A寝台を利用する場合はあらかじめ部屋の中に置かれています。男性女性、もちろん春美を含めて(笑)対応できそうな内容でした。
シャワールームは、脱衣場とシャワー室に分かれています。まずはカードを挿入して、脱衣場で服を脱いだ後(妙な想像はしないでください)、シャワー室に入ります。シャワーユニットにはシャワーのコントロールに必要なスイッチ類と、『6分00秒』と表示されたパネルがあります。縁起でもないですが、『0分00秒』になると爆発しそうな雰囲気が漂います(笑)((どうやら、他の寝台列車でも同じユニットが使われているようです))
実際これは、シャワーの残り使用時間の表示なのですが、事前の調査で『シャワーを止めていればカウントは止まる』という情報を得ていましたし、脱衣場の説明にもそう書かれていましたので、こまめに止めることにします。
結局私は、2分強を残した状態で、シャワーを終えることができました。
ここで少々気分が悪くなったので、車内の取材は明朝にして、少々横になることにしましたが……ここで問題が発生。
私の確保した部屋は、進行方向に足を向けて寝る部屋でしたので、余計に気分が悪くなりました。頭の位置を変えることにします。
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翌朝私が目覚めると、列車は沼津駅に到着していました。時刻は5時25分。
気分は多少よくなってきているので、ここから車内の取材に入ります。
B寝台『シングル』。サンライズで主力となっている個室で、私も当初はここを確保していました。『寝る』ということに話を絞れば、シングルデラックスとそう大差はありませんが、荷物の置き場がないのは困りそうです。まあそれは、シングルデラックスでも似たようなものなのですが。
B寝台『シングルツイン』。追加料金を払えば二人で利用でき、一人で利用した場合は広大な頭上空間が広がります。少々お高くつきますが。
『ノビノビ座席』。間仕切りがあるカーペット敷きの空間なのですが、指定席券のみで利用が可能なため、今回もっとも混雑していた車両でした。
車内にはオープンラウンジが設けられているので、車窓からの景色を見ながら語らい合う、一人物思いにふける、その他諸々のことが可能です。
他に、ツインやソロの個室もあったのですが、中に人がいるかどうか判断が付かない部屋ばかりでしたので、今回は取材を見送っています。
そうこうしていると、昨日岡山を出てすぐにあって以来の車内放送が流れ、横浜駅まで20分の所にいることが知らされます。衛星放送でニュースをチェックしながら、私は支度を済ませます。室内に洗面所もあるので、お手洗い以外の一通りの身支度は個室の中で可能です。
まだ少々気分が悪かったので、横浜駅を列車が出た後で、私は荷物を持ってラウンジへ向かいました。景色を眺めつつ、気持ちを落ちつけます。
7時8分、列車は定刻通り、東京駅へと到着しました。
長旅を終えた列車の後ろ姿を撮影し、私は出張先へと向かうことにしました。